上手に付き合いたいアルコール
アルコールの誘惑に負けないことが大切
12月後半を迎えて忘年会が盛んに行われるようになりました。
また、年が明けるとお正月になりますので親戚同士が集まり宴会を開いたり、新年会などもありますので、お酒を飲む機会が増えると思います。
この時期が1年で最もアルコール摂取量が多くなるのではないでしょうか?
そんなアルコールは飲み方次第で薬にも毒にもなるのです。そのため上手に付き合うことが重要です。
「酒は百薬の長」と言われていますが、適度な量を飲むのであれば善玉(HDL)コレステロールを増やして動脈硬化のリスクを低下させたり、血流が良くなる効果があるため健康に良いという説もあります。
ところが飲み過ぎると健康に悪影響を与えますので注意してください。よく知られているのは肝臓の病気ですが、それだけではないのです。
消化器系、循環器系、神経系の病気だけではなく、生活習慣病の原因にもなります。お酒には糖質やプリン体含まれていますので、糖尿病や肥満にもなりやすいのです。
そのため摂取量には充分に気をつけるようにしましょう。
ところが日常生活の中でアルコールを抑えるのは難しいのが現実です。どうしても誘惑に負けてしまいます。
社会人になると職場で新入社員の歓迎会がありますし、大学生になってサークルなどに入ると未成年であるにかかわらず、先輩から無理矢理お酒を飲まされることがあります。また、日本は自動販売機で簡単にお酒を買うことができる国でもあります。
それに加えて、最近はビールも様々な銘柄が増えましたし、カクテル、チューハイ、ワインなども美味しくなっていますので、アルコール類を飲みたくなることがあると思います。
そのためアルコール依存症の方も多いのです。依存症になると、どんどん健康が損なわれることになりますので、とても危険です。
何よりもアルコールの誘惑に負けないことが大切なのです。
アルコール依存症について
ところで日本人で過度のアルコールを摂取している人は、どれくらいいるのでしょう?
厚生労働省では1日平均20gの飲酒は節度がある適量な飲酒であり、60gを超える飲酒を多量飲酒と定めています。
多量飲酒はビールでは中瓶3本、日本酒では3合弱くらいです。国内では男性の12%、女性の3.1%が多量飲酒と呼ばれています。
そんな中でアルコール依存症の患者は全国に4万4千人いると言われています。
しかし、この数字は実際に病院で治療を受けている患者の数ですので、実際に依存症の疑いがある人は、その100倍の440万人と推定されているそうです。
厚生労働省が定義しているアルコール依存症の診断ガイドラインによると判断材料として大きく6つの条件が設けられています。
1.飲酒したい欲望や脅迫感
2.飲酒の開始・終了、飲む量についての行動をコントロールすることが困難
3.禁酒や減酒した時の離脱症状の有無
4.耐性(少々の量では酔わなくなり、気持ち良くなるための量が増えてくること)
5.飲酒の楽しみや興味を無視し、飲まなければならない時間やその効果からの回復に要する時間が延長
6.明らかに有害な結果が出ているにもかかわらず飲酒する
過去1年間を振り返って、上記の6つの条件のうち3つ以上が1か月以上継続するか、繰り返された場合にアルコール依存症と診断されます。
依存症になると自分では断ち切るのが難しいため、専門のクリニックなどで早めに治療を受けることが大切です。
日常生活では仕事などのストレスを解消するためにアルコールは飲みたくなることがあると思いますが、決して飲み過ぎてはいけません。20g以内に抑えるようにしましょう。適量に抑えることが大切なのです。